AZUReLY BLUE SIDeのブログ。基本的に雑多。
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基本的にオタク。小説・音楽・アニメが好物。
自己紹介等はiddyにまとめているので、参考までにどうぞ。
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あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 早川書房 2009-08 by G-Tools |
西暦2083年、ニューロロジカル社の共同経営者にして研究者のサマンサ・ウォーカーは、脳内に疑似神経を形成することで経験や感情を直接伝達する言語―ITP(Image Transfer Protocol)を開発していた。ITP使用者が創造性をも兼ね備えることを証明すべく、サマンサはITPテキストによる仮想人格“wanna be”を誕生させ、創造性試験体として小説の執筆に従事させていた。そんな矢先、自らも脳内にITP移植したサマンサは、その検査で余命半年であることが判明する。残された日々を、ITP商品化への障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとするサマンサ。いっぽう“wanna be”は、徐々に彼女のための物語を語りはじめるが…『円環少女』の人気作家が挑む本格SFの野心作。
完全にジャケ&レーベル買いでした。まぁタイトルにも惹かれましたが。
やっぱりハヤカワSFシリーズ・Jコレクションは外れがないというか、この作品も個人的には好みでした。
個人の「死」を淡々と描くということは、さもすれば「死の美」を描こうとする作品群との対比になるのかもしれません。あくまで「死」は「死」でしかなく、それにのた打ち回るサマンサの姿は正直、醜いものでした。
後半に提示されるテーマは、ある意味今までの「SFにおける死」とは対立するものである可能性もありますが、だからこそ現実味があり、胸に迫ってきます。結局、人は「死」を乗り越えられることなどできないのだから。
この世界に満ちている「物語」たち。それらは一体、誰に、どんな価値をもたらすのでしょうか?
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